2019.12.6

ADEPの契約ができないパターン集

ADEPによるInHouse配布は、審査が不要端末数は無制限配布手段も自由に選べます。

有事の際の緊急対応や端末管理の容易性などを考慮すると、ADEPで作れるInHouseアプリはやはり魅力的です。しかし、InHouse配布アプリにはただ一つ制限があるのでした。(参考 : ADEP (Apple Developer Enterprise Program) とは何か)

ADEP契約主体の組織外の人が使う端末にInHouseアプリをインストールさせてはいけない

この制限は絶対に守らなければならず、例外はありません。ただ制限にひっかかるかどうかの相談をたびたび頂きますので、本稿ではADEP契約不可となるパターンを紹介します。

販売代理店に使って貰うアプリの配信

例えば、保険業界や自動車業界など販売店網を構築している商品に関連する業務アプリが該当します。商品開発元がADEP契約して、商品の解説や計算シミュレーション等をするアプリを作り、それを販売店にInHouse配布して使ってもらう…のはNGです。

販売代理店は、「組織外」だからですね。このパターンは結構多いです。

商業施設や商業イベントの出店者に使ってもらうアプリの配信

施設側や主催側が出店者に使ってもらうアプリ(例えば出店者向けの情報を発信するようなアプリ)を作り、販売店側が保有する端末にインストールしてもらうためにInHouse配布する…のもNGです。

出店側は多くの場合「組織外」だからですね。どうしてもInHouse配布したいなら、店舗側の全法人にADEP契約をして貰う必要があります。

一般消費者向けのアプリ配信

一般消費者にAppStoreを迂回してインストールして貰うようなInHouse配布もNGです。

提供側から見るとサービス利用側は「組織外」だからですね。一般消費者に使って貰うアプリは必ずAppStoreを通して公開する必要があります。

グループ内会社が他のグループ会社にアプリを配信

情報システム子会社が親会社の従業員iOS端末向けにアプリをInHouse配布する…のもNGです。

同じグループとはいえ別法人であり「組織外」だからです。もし親会社の従業員が使うアプリを作るのなら、ADEPは親会社が取得すべきです。(ただ黎明期にiDEPを取得して本パターンで実運用されているケースもある)

 

以上、4つほど例を幾つかあげましたが、万が一検討中のアプリが該当する場合は、ADEPの契約やInHouse配布は無理と考えたほうが良いでしょう。

ADEP契約が仮にできたとしても、ADEPの契約はAppleの意向で一方的にBAN(契約破棄)できることを忘れてはなりません。BANされると業務用として配布して日常的に使っているアプリがある日突然起動しなくなります。そんな恐怖は誰も味わいたくないでしょう。Appleにバレたら最後ですし、過去にはInHouse配布の不正利用が告発され削除となった例もあります。

ある規約違反iOSアプリが削除されるまでの4日間

ADEPやInHouseが思い浮かんだらまず、配布するアプリをインストールする端末は誰の端末かを確認することをお勧めします。

実は本稿で紹介したパターンは、ADEP契約をしなくても工夫すればほぼ要件を満たせるものばかりです。導入や運用の仕方に少し手を加えられないか是非考えてみて下さい。ちなみに、昨今(2019年12月現在)では、AppleもADEPを極力契約させないようにアドバイスする傾向にあるようで、ますますADEPの契約締結は難しくなっています。