2023.5.15

実録!ADEPの更新を拒否されるまでの全て (1)

ADEPの更新が審査されるようになったのは2022年。その詳細を過去の投稿で紹介してきました。

2022年前半のまだ基準がハッキリしない中、弊社は2022年4月に更新ができていました。そして迎えた2023年の更新日、ようやく(?)弊社もADEP更新を拒否されました

そこで何回かに分けて、弊社がADEPが拒否されるまでの過程をご紹介します。ADEPがどのようにして拒否されるに至るのか、参考にして頂ければと思います。

 

弊社とADEP(iDEP)

まず最初に背景について。

弊社は、10年以上ADEP(旧iDEP)を社内アプリ配布用に使用してきました。ADEPの前身であるiDEPの取得条件が緩和され、法人であればどこでも取得できるにほぼ近い状態になった時に取得したものです。


(InHouseが使えればカスタムAppを使う理由はなかった。弊社も同様)

用途は、自社で使用する業務用の簡易アプリや企画段階アプリの開発と社内配布です。いずれも社内関係者(従業員(employee)や業務委託者(contractors))への配布に利用してきました。配布方式は主にMDM。時々OTAやAppleConfigurator を併用し、OTA環境にはVPN接続を必須とするなど第三者がインストールできないようセキュリティを担保していました。

ADEPのルールに従って使用してきましたが、実のところ、InHouseが無いなら無いで何も困らないと感じていました。TestFlight の進化により、関係者に申請不要・UDID登録不要で配布するには TestFlight の内部テストが、InHouse より遥かに便利になっていたからです。


(研修資料より。実は多くのケースで InHouse より TestFlight の内部テストのほうが楽)

他社にない弊社独特の事情として、本サイト執筆にADEP関連の調査で使っていたため契約継続できれば嬉しい…という気持ちは少しありました。ただこれについても、2020年にADEPが廃止方向に舵を切ってからは大きな変化もなく調査要としての価値もなくなりつつあるとも感じていました。

以上のような背景のあった弊社がどのようにADEPをrejectされたか、次節以降でご紹介します。

 

一度は更新ができた(2022年)

前述の通り、弊社では2022年のADEP更新ができました。他のお客様や関係筋から、ADEP更新が審査されるようになった、ADEP更新をrejectされた、という情報が入り始めてきた真っ只中でのことです。


(例年通り決済するだけだった)

全社が審査される訳ではないらしいという情報が正しかったのか、2022年の弊社は審査されない側だったようです。2022年のADEP契約が切れる30日前に、例年通りのメールが届き、審査はなくカード決済を経て更新できたのでした。


(2022年3月に届いた30日前のメール。更新を促すだけの例年と同じメール。90日前のメールは無し)

弊社は明らかにADEPの契約条件をクリアしていなかった(従業員100人未満)ため、拍子抜けをした次第です。

 

Appleからのメール(2023年)

そして迎えた2023年の更新時期。以前の投稿で紹介したとおり90日前にAppleからメールが届きました。


(弊社のADEP期限は2023年4月28日。ピッタリ90日前に届いた)

更新は絶対にreject されると確信していました。なぜなら、前述の通り弊社はADEPの契約条件を満たしていないからです。


(2010年代に一時条件緩和された時、従業員数の要件は無く法人でありさえすれば良かった)

期限から90日前に届くAppleからのメールは、ADEPの契約条件を満たしていないなら赤に近い黄色信号ですが、契約条件を満たしていれば(今のところ)青に近い黄色信号です。

弊社では、いずれADEPは更新不可になるかそもそも消滅するだろうという見込みから、2022年秋頃(つまり半年前)に前もってADPへの移行を完了していました。よって、慌てることもなくAppleからのメールは放置。その後、60日前、30日前、15日前、5日前、とそれぞれAppleからメールが届き、想定どおりの展開で進みます。


(文面は残日数が異なるだけで全部一緒)

いずれのタイミングでも、ADEPの画面上には以下のように「詳細情報を提供」「更新を拒否」と選択肢が2つある状態となっています。

前者を選べば更新申請、後者を選べば自ら辞退というわけです。弊社の場合は正直、後者を選んでも良かったのですが、申請 reject を経験しておきたかったこともあって期限切れ3日前に申請を行いました。

ちなみに上図は Account Holder でサインインした画面となります。Account Holder でない場合は、下図のように表示され、Account Holder 以外が更新・辞退の操作をすることができないようになっています。


(Account Holder の人物に確認するように求められる)

 

長くなってきましたので本稿ではここまでとします。次回の投稿では、実際にADEP更新を申請する画面で確認される項目やその回答例などを紹介します。

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